ステッピングモータは、DCモータ(Direct-current motor、直流電動機)とは異なり、電力信号を与えることで正確に回転を制御できます。
例えばステッピングモータの使われている3Dプリンタでは、正確に回転を制御できているからこそ3Dプリントが実現しているとも言えます。
各モータの特徴をまとめると下記のようになります。
DCモータ: 電力を与えるとずっと回転する
サーボモータ: ある信号に対応してある角度の範囲で回転する
ステッピングモータ: 回転範囲に制限はなく、電力信号を与えることで正確に回転し続ける
ステッピングモータの種類〈1〉
ステッピングモータには3種類あります。
PM型(Permanent Magnet Type、永久磁石)
回転子として円周上にN極とS極の交互に着磁した磁性体を使用する。安価だが、着磁間隔を細かくすることに限界があり、ステップ角度は小さくできない。
VR型(Variable Reluctance Type、歯車状鉄心形)
回転子として歯車状の鉄心を使用する。ステップ角度を小さくできるが、トルクがやや低い。
HB型(Hybrid Type、複合形)
PM型とVR型の特徴をもつ構造をしている。
※回転子(ローター)…モーターとして回転する軸のこと。
ステッピングモータの仕組み
PM型のステッピングモータの仕組みを簡単に説明したいと思います。
まず、下記の図のようにPM型のステッピングモータは中心の永久磁石からなる回転子と外側のコイルから構成されている固定子から構成されています。コイルに電流を流すことで磁力が発生し、この磁力を利用して回転子を回転させていきます。
1.コイル1に電流を流すと固定子と回転子のN極とS極が引き合う。
2.さらにコイル2に電流を流すと、両方の固定子が磁化して回転子を引きつける。つまり45°回転する。
3.コイル1の電流を切ると、さらに45°回転する。
4.コイル3にコイル1に流した電流と逆方向の電流を流すと、さらに45°回転する。
5.コイル2の電流を切ると、さらに45°回転する。
上記と同様の動作を繰り返すと回転子が回転します。
制御信号(ステップと呼びます)を与えると回転するイメージです。また、1ステップあたりの回転角度を基本ステップ角度と呼びます。
ステッピングモータの種類〈2〉
先ほど述べたようにステッピングモータの種類には3種類あります。そして、さらに2種類あります。ただし、この2種類とはステッピングモータ内部にあるコイルへの電流の流し方の違いによるものです。
ユニポーラ型(単極性)
相電流の切り替えのとき、1つのコイルに対して一定方向の電流しか流さない。
バイポーラ型(双極性)
相電流の切り替えのたび、電流の方向が変わる。
※ステッピングモータの仕組みで説明したように磁極を変えるため内部のコイルをスイッチングする必要がある。その磁極をどのように変更するかというイメージ。
励磁(れいじ)方式
励磁方式とは、簡単に言えば「どのようにコイルに電流を流し、ステッピングモータを回転させるか」です。つまり、どのコイル(どのピン)に電圧をどの順番で印加していくかということです。
これは、制御するときに方式を選ぶことができます(プログラムで書くことができます)。ライブラリを使って制御するとわかりにくい部分かもしれません。
大まかに3つの励磁方式があるので、それぞれ紹介したいと思います。
■ 1相励磁
A→B→A'→B'の順に電流を流します(つまり励磁します)。
このようにパルスを与えるたびに決められてステップ角だけ回転します。励磁の順をA'→B'→A→Bとすると逆回転します。
1相励磁は最も単純な方式ですが、トルクが弱く高速回転には向いていません。また、安定性が良くないため実用的ではありません。
■ 2相励磁
次の相と1パルスずつずらして同時に励磁する方式です。
パルス幅が1相励磁の2倍となり、1相励磁に比べて回転が安定して、大きなトルクが得られますが消費電力も2倍になります。
■ 1-2相励磁
1相励磁と2相励磁を交互に繰り返す方式です。
各相のパルス幅が3となり、次の相とは2パルスだけずらして励磁されます。1パルスごとに回転する角度が1相励磁と2相励磁に比べて半分になり、細かいモータ制御ができます。基本的にこの励磁方式で制御すれば間違いないでしょう。
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