金属3Dプリンターの造形方法と方式

saito83jc

2022年12月16日 16:03

パウダーベッド方式(PBF方式)
パウダーベッド方式(PBF方式)は、敷きつめた金属粉末(パウダー)に、熱エネルギーを照射して重ねていく造形方法です。
熱源の種類によって、さらに細かく分けることができます。

レーザー焼結法(SLS)
レーザー焼結法は、敷きつめた金属粉末(パウダー)にレーザーを照射し、焼き固める造形方法。もっともよく知られている方法で、SLS(Selective Laser Sintering)ともよばれます。

高出力のレーザーで一層ずつ焼き固め、造形後は余分の粉末を除去して造形ワークを取り出します。造形後の肌の表面はパウダー感が残るため粗く、研磨加工で仕上げます。

直接金属レーザー焼結法(DMLS)
直接金属レーザー焼結法は、敷きつめた金属粉末(パウダー)にイッテルビウムレーザーを照射し、焼き固める造形方法。SLSとはレーザーの原理が異なり、DMLS(Direct Metal Laser Sintering)とよばれます。
高出力で安定性に優れるため、より精密な造形が可能です。

レーザー溶融法(SLM)
レーザー溶融法は、敷きつめた金属粉末(パウダー)にレーザーを照射し、溶かしながら層を重ねていく造形方法。SLM(Selective Laser Melting)ともよばれます。

金属粉末(パウダー)をかけながら一層ずつ溶かし、造形後は余分の粉末を除去して造形ワークを取り出します。レーザー焼結法と似ていますが、焼結の工程がないため、熱収縮が起こりにくのが特徴です。

電子ビーム溶解法(EBM)
電子ビーム溶解法は、敷きつめた金属粉末(パウダー)にビームを照射し、溶かしながら層を重ねていく造形方法。 EBM(Electron Beam Melting)ともよばれます。

真空中でビームを照射するため、レーザーにくらべ高出力(加工温度は1000度)で、高速造形ができます。


メタルデポジッション方式(BMD方式)

メタルデポジッション方式は、金属粉末(パウダー)を指定の箇所に供給し、重ねていく造形方法です。

粉塵対策や不活性化ガスの排出対策などが必要なパウダーベッド方式とくらべ導入コストも低く、 パウダーベッドに替わる新技術として注目されています。

レーザー直接積層法
レーザー直接積層法は、金属粉末(パウダー)をノズルで射出し、レーザーを照射しながら層を重ねていく造形方法です。

・LMD(Laser Metal Deposition)
・DMD(Direct Metal Deposition)
・DED(Direct Energy Deposition)
・LENS(Laser Engineered Net Shaping)

など、さまざまな名称や方式があります。

パウダーベッド方式とくらべ加工速度がはやく、ピンポイントで金属粉末(パウダー)を供給できるため材料のムダがありません。
造形途中でも異なる金属粉末(パウダー)に切り替えることもできるため、小型部品の造形や既存製品の修理などにも利用されます。


溶融金属積層法
溶融金属積層法は、ワイヤー状の金属をノズルで供給し、ビームを照射しながら層を重ねていく造形方法です。1秒間に数万回の火花(アーク放電)をとばすことでワイヤーを溶かし、重ねていきます。

低コストで高速造形ができますが、造形精度が低いため、加工ワークへの肉盛り(金属の補修)などで使われます。

熱溶解積層方式(FDM方式)
熱溶解積層方式(FDM方式)は、従来の樹脂3Dプリンターとおなじ積層による造形方法です。(FDMは熱溶解積層〈Fused Deposition Modeling〉の略)
金属とバインダー(樹脂)を混ぜて固めた粉末をノズルから押し出し、樹脂3Dプリンタとおなじ要領で積層していきます。余分なバインダーは積層時に熱で溶け、脱脂工程で除去されます。その後焼結工程で金属を焼き固め、金属製品となります。

焼結時に約20%ほど収縮するため、精密部品には仕上げ加工が必要となります。
量産には向きませんが導入コストが低いため、研究所や試作用途として注目されています。

-----------------------------------------------------------------
skysmotor.comユニポーラステッピングモータ一体型ステッピングモータなどを販売している専門的なオンラインサプライヤーです。お客様に競争力のある価格、または効率的なサービスを提供しております。