パウダーベッド方式
パウダーベッド方式とは、素材となる金属粉末を敷き詰め、造形する部分にレーザーや電子ビームを照射して、溶かし固めていく造形方式です。金属3Dプリンターでは最も利用されている造形方式で、他方式と比べて造形物の精度および密度、強度が高くなります。
層ごとに金属粉末を敷き詰めて溶かし固める工程を繰り返すため比較的時間がかかりますが、幅広い鋼種に対応できるのが特徴です。レーザー方式と電子ビーム方式、それぞれの特徴は以下になります。
レーザー方式
増幅した光を集約させて、一定の方向に指向性を持たせた電磁波を発生させるのがレーザーです。パウダーベッド方式のうち、レーザーを使用して造形する金属3Dプリンターをレーザー方式といいます。
レーザー方式では、レーザーの焦点が小さいほど、精度が高い造形物が制作可能です。ただし、一般的なレーザーの出力は電子ビームより低いことがほとんどです。また、レーザーの方向を機械的に制御するため、スピードが遅く、造形時間がかかるのが難点でした。
しかし最近では、複数のレーザーを搭載した装置も出てきており、スピードの向上が図られています。
電子ビーム方式
電子ビームは、文字どおり、電子の束に方向性を持たせた電子の流れのことです。電子ビーム方式では、造形したい部分にビームを当てて金属粉末を溶融させます。また、電子ビームは、投入したエネルギーの80%以上が熱に変換されるほど熱変換効率が高く 、ロスが少ないのが利点です。
レーザー方式ではレンズで集約して機械的にレーザー方向を変えますが、対して電子ビーム方式では、電気的に照射方向を制御できます。また、電子ビームは出力が高いため、レーザー方式よりも大きな粒径の粉末を使います。これにより、レーザー方式と比べて造形速度は速いものの、造形物表面の粗さや精度はやや劣るのが特徴です。
デポジション(指向性エネルギー堆積)方式
デポジション(指向性エネルギー堆積)方式とは、素材となる金属の粉末の噴出と、レーザーまたは電子ビームの照射を同時に行なう方法です。造形する部分に溶けた金属を積み上げ、固めていきます。
造形エリア全体に粉末を敷き詰めるパウダーベッド方式に比べて、短い時間で造形できるのが特徴で、一部欠損した金属部品の部分補修といった目的でも利用可能です。
一方、デポジション方式では造形位置を機械的に制御するため、精密な造形には不向きだといえます。
FDM(熱溶解積層)方式
FDM(熱溶解積層)方式とは、これまで樹脂3Dプリンターで用いられてきた方式です。熱でやわらかくなる熱可塑性樹脂と金属粉末を配合した素材を押し出して積み重ね、造形していきます。
ただし金属3Dプリンターは、造形後にも作業工程が必要です。金属粉末を結合するための熱可塑性樹脂を取り除くため「脱脂」という作業をし、さらに炉に入れて焼結することで金属パーツとなります。脱脂・焼結する際には樹脂分が抜けて造形時よりも収縮するため、収縮する割合を考慮して、造形しなければいけません。
バインダージェット方式
バインダージェット方式とは、素材となる金属粉末を敷き詰めたところに、バインダーといわれる液体の結合剤を吹き付けて固定化する方法です。FDM方式と同様に、造形後は使用したバインダーを除去するために脱脂・焼結の工程を経て金属パーツとなります。
バインダージェット方式は、造形スピードが速く、将来的には量産も可能なのではないかと期待が寄せられています。しかしその一方で、造形物の密度が低くなるという欠点があり、課題改善が不可欠だといえるでしょう。
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